写真は左から町田市下小山田町に鎮座の小山田神社、同金井町に鎮座の八幡神社、同小野路町に鎮座の小野神社です。
神社は数多あれど まず氏神に
日本には、先祖代々という熟語に表されるように、先祖を神として尊び崇めるいわゆる先祖崇拝という最も古く基本的な信仰があります。今年は帰省の可否で多くの人が悩んだお盆を見れば、今日でも私達に親しい信仰です。昔はこの先祖を同じくする家系集団を氏族と言いました。
元々は、氏神とは氏族の祖神のことでした。氏族の成員は先祖達を祖霊として崇め祀り、祖霊は氏族子孫の安泰繁栄を守り恵むという関係でした。(成員自身も亡くなれば祖霊に連なる神々の一員となるのです。) そして時代を経る中、氏神は氏族の祖神という意味から離れ、地域との地縁的な繋がりを強めていきます。
当菅原神社も、大本はこの地域の有力者大沢氏が信奉した天神様を祀る氏神でした。そして江戸初期に大沢家から村に寄進されて本町田地域の氏神となりました。大沢氏の氏神から当地域の氏神へと性格を変えたのです。
氏神とは今では、その地域(氏子区域と言います)をお守り下さる神様又神社のことを指します。そしてその地域にお住まいで氏神にいつも守られている方々を氏子と言います。全国津々浦々に一定の氏子区域をもった氏神が鎮座され、その地域を守護されています。
ですからご家庭の様々な祝い事等は、氏神にて執り行ってもらうのが基本です。土地に関する地鎮祭等も、その土地を常時ご守護戴いている氏神にまず依頼されるのが良いのですし、そうすることで祭事は単なるイベントに終わらない本来の意味を持つのです。
毎年の初詣は遠く離れた有名社寺にお参りされている方もおいででしょうが、先ず最寄りの氏神に日頃の感謝と祈りを捧げるのが本来です。その後のはしごはもちろんご自由です。
但し諸事情により祭事よっては対応出来かねる神社もあると思いますので、まず氏神にご相談されるのが第一です。新たな所に移り住んで氏神がどこか分からない時は、最寄りの神社をネット等で探して尋ねるか、近くの商店の方に聞いてみるとご存じかも知れません。各都道府県の神社庁でも教えてくれます。尚、氏子区域の関係で、最寄りでなくやや離れた神社が氏神のこともあります。
氏神は私達の生活にとって大切な存在ですが、少し気楽に、散歩コースに氏神を加えてお参りされれば、きっと清々しい気持ちで一日を過ごせるのではないでしょうか。