杜のことづて

2011/12/1

杜のことづて

211201 神社についてのある危機感

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 全国津々浦々に鎮座する神社の多くはその地域の永い歴史を背負って今日まで存続してきました。人々の考え方、神社の環境は徐々にまた大きく変化してきたはずですが、その歴史を貫いて神社が存続して来れたのは、端的に言えば、私達日本人の神々や先祖への崇敬心があったからに他なりません。さらに地域の共同体が神々の祭りを忘れなかったからでもあります。

 
 
 地域の人々共同で奉仕する祭りは、私達を一つの地域共同体に結びつけてくれます。祭りによって地域の人々の結びつきが強まるのです。さらに祭りの時間は、日常的な過ぎ去る時間ではなく、昔から変わらない毎年繰り返される永遠性をもった時間であり、昔から連綿と続く地域の歴史にも結びつけてくれます。私達は神々を祭ることによって、自分が地域の一員であり、そして永い歴史の中の存在であるという、結びつきを心の深い部分で確認するのです。祭りは日本の地域文化にとっても、私達一人一人の心にとっても、真実大事なものなのです。
 
 
 神職や神社総代は永い時の流れの一時をお預かりして神様にご奉仕し、この祭り事を厳修しつつ次の世代に確実に伝えてゆくことが大きな任務です。しかし敗戦と共にGHQの「神道指令」によって、この国の多くの人々が信仰してきた神社は、その歴史的背景は捨象されて、多種多様な宗教団体の一つとしてのみ存続が許されるようになったのです。教育も一変し、今の時代は神様や神社について何も教えられてこなかった人々が大勢を占め、神々の祭りも伝わり難い状況です。一部の華々しい有名な祭りの賑わいの蔭で、信仰心に基づく祭りの母体となる地域共同体は、いわゆる個人主義や核家族化によって弱体化或いは変質しているようで、危機感を持たざるを得ません。
 
 
 何しろ戦後は、実は私もその様な教育を受けた一人ですが、自国の神話も教えられず、宗教や文化的背景の異なる欧米的な「個人」の確立こそが重要とされてきたようです。ですから私達戦後世代の者は、日本に生まれながらなかなか日本人であることを良い意味で自負することもままならない、そんな教育を受けてきました。私達自身のこの国土や文化を大切におもうならば、日本で昔から受け継がれてきた信仰や神話などを、少なくともその存在と内容を子供達に伝えてゆくのが当然ではないでしょうか。個人は一般的に、まずその国の文化の中での個人ですから、まずこの国の歴史風土の中での個人のあり方が求められてしかるべきだとおもうのです。(またそうでなければ真に世界的な視野を持つこともできないのではないかとおもいます。)
 

 神社を崇敬される皆様にも、ご自分が習われてきた神様や神社の大切さについて、ご家族始め一人でも多くの方に伝えていただけたらと、是非お願いいたしたく存じます。

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アクセス

鎮座地

〒194-0032 東京都町田市本町田802番地

お車ご利用の場合

駐車場へは矢印のところからお入りください。
なお、正月三が日と例祭日(8/25)は満車と
なりますので、バス等をご利用ください。

バスご利用の場合

小田急線町田駅より鶴川駅行、藤の台団地行、
本町田団地行で「菅原神社前」下車。
所要時間は約10分です。

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