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杜のことづて

2019年12月12日

私達の自然(12) 自然災害について思うこと

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 近頃の夏の熱暑やこの秋大きな風水害を残した台風等を見ますと、近頃の気象は烈しさを増しているように感じます。但し過去を振り返っても、伊勢湾台風を始め風水害は枚挙に暇がありません。

 さらに我が国は小さな島国でありながら類を見ない地震国でもあります。一寸思い出しても阪神淡路大震災、新潟地震、東日本大震災、熊本大地震・・。私達はその様な国土の表層で生活していますが、そのすぐ下には、或はそのすぐ上には、太古からの自然が横たわっています。私達は科学的な知識を得て危険区域の設定等、防災に大いに役立てていますが、いざ大震災等に出会うと、多分大昔同様に自然への測り知れない畏れを感ずるのです。

 多数の尊い命が一瞬にして奪われるような自然の振る舞いに対しては、自然が相手ではどうすることもできないという諦めを抱かざるを得ません。いわゆる無常観なのでしょう。それは多分大昔からの、日本人と頻発する自然災害との関わりの中で醸成されてきた感じ方なのだと思えます。

 一方、自然は私達に大きな恵みをもたらします。陽光や慈雨は、しばらく前まで私達の主な生業だった稲作にとって限りない恵みでありましたし、昔も今も私達の命はもちろんその自然に負っています。昔はあらゆる自然に神々が宿り、自然を神として感じていたと言えます。自然(神々)の恵みへの感謝は日本の祭の原点です。そしてもう一つの祭の原点は、五穀豊穣のために災害がないよう毎年神々を祭り、祈ることでした。自然の猛威を鎮めることを忘れることはなかったのです。それだけ自然を、正当にも大きく大切に見ていたわけです。

 現代、知見は広く深まっているはずですが、自然と直に接することが少ないからでしょうか、自然を操作可能な対象物としか見ない西欧的自然観が浸透したからでしょうか、普段は自然への畏れも感謝も忘れ去られているようです。それでは防災にも身が入らないのではと思います。


 世の中の無常は確かに真実かも知れません。自然も無常に変化しています。ただ、先日の第一二六代天皇陛下の、皇室の伝統に基づく即位礼又大嘗祭等を拝見しますと、又持統朝より千三百年続く伊勢神宮の二十年ごとの式年遷宮に見られるように、日本文化は無常に抗して伝統を変えることなく継承して、古い伝統を常に若々しく蘇らせています。その大本には歴代の天皇による、国や国民の平穏、繁栄の「祈り」がありました。自然による無常な大災害で沈む心を、再生への希望をもって励ましていただける、我が国の大切な精神の伝統に違いありません。

 上皇陛下の、そして御心を受け継がれた今上陛下の、自然災害に心を痛められ被災者を心配なさるお言葉を拝聴する度に思うのです。